なぞが解けたぞ!
会計の世界は、P/Lだ、B/Sだと略語を使って会話をするようになった時点でなんとなくわかったような気になる。(けっこう、その時が危ない;汗)
構造や名前はわかっても本質を理解している人はすくない。(僕もえらそうなことは言えない口だ)
本書は、ビジネス/会計/決算書 の3つの要素の間の見えないカベをなんとか乗り越えて、会計の本質を“面白く理解しようじゃないの”という本である。
具体的には、「甲子園球場の土地は、決算書ではなぜ800万円なのか(時価では155億円なのに)」という疑問から、貸借対照表の基本を押さえる。「日産リバイバルプランでは、売上が1100億円しか増えていないのに、なぜ利益が1兆円も増えたのか」という謎を解きながら損益計算書の基本が分かる。といった具体に、世の中にあるよく知っているニュースと、その裏側の会計や決算書の真実を読み解く・・・・とっても面白い内容がある。
楽天とTBSの純利益の推移の不思議から、M&Aのコストはいつ計上するのかを考える章も面白い。楽天がいくつか買収した案件で、そののれん代の償却は、単年度で計上されていた。(だから経常利益が黒なのにずっと純利益は赤だった)
2009年に会計基準が世界的に統一されるとすると、日本人が慣れ親しんだ経常利益という概念がなくなる可能性がある。
などなど、へぇーな事実もいっぱい。
とっても面白く、かつためになる。
何かと何かの間にある谷間や、カベ、断絶を繋ぐ・・・というのは、実に面白い。今日の本も、ビジネス、会計、決算という3つの間を埋める糸がとても新鮮だ。
会社の中でもこういうのって、案外あるかもね。いろいろ考えてみよう。
★★★★★+絶対数感
・会計に興味もってる方
・会計なんてキライだって方
・甲子園球場のナゾを知りたい方