2007年04月13日

スローなユビキタスライフ ~ 関根千佳 + Webook 10周年

   誰かの役にたてることを感じる喜び・・・


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●今日の一冊:【スローなユビキタスライフ】

   天と地と人がつながるIT技術を夢見て

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   |関根千佳/著
   |地湧社|2005年08月
   |ISBN:4885031850|1,200円|189P
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<本のひらめき>

空想の町「高布町(たかふちょう)」を舞台に、201X年のユビキタス情報
社会を描いた素敵な物語である。

アイヌ語で「橋」という意味をもつルイカという情報端末。開発したのは、世
界的に有能な科学者、香成(かなる)。CANAL(運河)に由来する名前だ。

ルイカという人に優しい端末が、未来のユビキタス社会において、どのような
役割を果たすのか。どんな思想でつくられたものなのか。さまざまなものが繋
がれていく不思議な世界は、東洋思想にもつながる不思議な感覚を呼び覚ます。

高齢化社会、リストラ、ひきこもり・・・さまざまな問題を抱える人間たちが
ほんとうに望むべきものは何か・・・そういうことを考えさせてくれる。

ユビキタスというのは、もともと「(神は)あらゆるところに存在する」とい
うラテン語が語源だとか。

心をうつ物語の展開は、涙をこらえきれない。
IT小説で涙を・・・? まさかと思うかもしれないけれど、本当の話。
私たちが大いなるものに見守られている・・・そんなことを感じさせてくれる。

ユビキタスとは、すべてが繋がっていることであり、
あらゆるもの、そこにあるものが、宇宙であり神であり、
大地も自然も人もみなかけがえのない命の営みなのだ
ということのように思えてくる。

そこはかとない感情の機微が見事に描かれ、ゆっくりと味わって読みたい本。
超~おすすめ! 

ちなみにこの本は、「やおよろずプロジェクト」 http://www.8mg.jp/ から
うまれた本である。


<僕の思いつき>

この本も、実はある方からいただいたもの。五十川さんというブックコンシェ
ルジェの素敵な方である。この本に登場する「遼子さん」のような方である。
 http://d.hatena.ne.jp/coccola/

五十川さんはこの本を大量に買い求め、友人にプレゼントしているんだとか。
読み終えて、その気持ちがとってもよくわかった。
僕も、大切な人にいっぱいプレゼントしちゃおっと!

著者は、もとIBMにお勤めで、現在ユーディットというユニバーサルデザイ
ン研究所を運営されている。 http://www.udit.jp/
お逢いしたい人がまた増えた。http://www.udit.jp/company/sekine.html

うーん、小説を書いてみたくなったなぁ。
(そういえば、湯田中さんや大徳寺さんは、その後どうなったんだろう? 笑)


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<オススメ度>

   ★★★★★+やおよろず

<読んで欲しい方>

   ・IT社会に心を入れ込みたい方
   ・素敵な未来をのぞいてみたい方
   ・誰かの役にたつ喜びを知った方

Posted by webook at 2007年04月13日 14:11