わしらはすべてつながっておる。
----------------------------------------------------------------------
●今日の一冊:【イーグルに訊け】
インディアンに学ぶ人生哲学
--------------------------------------------
|天外伺朗/著 衛藤信之/著
|飛鳥新社|2003年10月
|ISBN:4870315858|1,800円|223P
--------------------------------------------
<本のひらめき>
アメリカ先住民族は、白人に迫害され、あてがわれた居住区での生活を強いら
れてきた。しかし、そんな環境でもその伝統を守りつづけている部族がある。
そこには、古くからの知恵と叡智が息づいている。そして、現代人が失ってし
まった何か尊いものが残されていたりする。
本書は、AIBOの開発者としても知られる天外さんと、心理カウンセラーの
一人者、衛藤さんが、実際にアメリカインディアンとの不思議な交流体験を交
えながら、インディアンが守り続けてきたすばらしいものを紹介している。
仏教や東洋思想、また古きよき日本の伝統にも通じるその世界観には、例えば
すべてに感謝する祈りがある。スピリット、祖先、太陽、月、大地、石、水、
そして地球上のすべての生き物に感謝するのだ。
あるいは、受容の姿勢。「自分の身の回りにあるものや、わが身に起こること
すべて創造主からのプレゼント」とみなし全部を受け入れていこうという思想。
また、「ギブアウェイの精神」。分かち合えば分かち合うほど、神は、わしら
にわかちあうためのものを与えてくれる・・・といった他利の精神。
などなど、僕たちがセミナーや本を通じて学んでいる生き方論のエッセンスが
インディアンの言葉として伝わってくる。
天外さんも衛藤さんも、アメリカ先住民との接触の中で、いくつかの不思議な
体験をしている。
科学の進化、経済の発展など、私たちがよいことだと信じてきたことは、さま
ざまなほころびを見せている。そんな中、このインディアンの思想は、とても
共感できるものが多い。
こんな言葉がとても印象的だ。
私たちは「大きな力のはからい」に対立する概念、すなわち「エゴから
出た目的意識」を追求することが、幸せへの近道だと考えてしまった。
この文明社会は、煩悩(欲)の追求を社会の推進力にして発展してきた。
うーむ・・・。
<僕の思いつき>
今、ゴア元副大統領などがさかんに主張している地球の危機は、たしかにエゴ
の追求を推進力にして発達してきた。もっといいうちを、もっと便利を、もっ
とぜいたくを・・・。それは同時に、たくさんの資源の無駄遣いと、地球の環
境破壊を許してきた。
「煩悩の追求を社会の推進力にしてきた」という表現は、まさにそのとおりだ
と思う。CO2削減という環境保全の対策そのものが、エゴの追求(経済合理
性)を推進力にしているから笑える。
それに対するインディアンの思想は、とてもしなやかで自然だ。
どこか東洋思想に似ているところが、またうれしい。
この本を貸してくださった副校長に感謝!
----------------------------------------------------------------------
<オススメ度>
★★★★★+イーグル
<読んで欲しい方>
・自然と対話をしたい方
・地球と一緒に生きる方
・しあわせに生きたい方