おじいちゃんのおじいちゃん、の教え・・
著者の渋沢さんは、あの渋沢栄一氏の5代目子孫の方。自分でも会社を興すにあたり、会社を500も創ったおじいちゃんは何を考えていたのだろう?という好奇心から渋沢栄一の資料を掘り起こしたという。
帰国子女(小2から大学卒業まで)の著者は、旧漢字かなづかいに困惑したようだが、父親の協力で現代語訳をしてもらい、その意図を汲み取ったという。
で、そこにあったものは・・・
100年たった今でも通じる普遍的なビジネスや人生の思想があった!
というもの。
大量の記録から、素敵な言葉100を選び、栄一氏の思いのエッセンスを著者が解説。見開き2ページで構成されている。英語訳もあるので英語圏の人と渋沢栄一のことを話す時、役にたつかもしれない。
さて、どんな言葉に5代目子孫は響いたのか・・・そして、それを読んだ私達は何を感じるのか・・・。例えば:
毎日、新しいものを探そう!
日々に新たにして、また日に新たなりは面白い、
すべて形式に流れると精神が乏しくなる、
なんでも日に新たの心がけが肝要である。(論語と算盤 より)
Look forward to something, every single day.
あなたがわくわくする日々を送っていれば、きっとそれがみんなに伝わって 会社全体が、わくわくするものになるはずです。
といった感じになっている。この他、
口は幸運の門でもある。
信用、即ち資本と思え。
水溜りや滴を集めれば、大河になる。
など、ふむふむと頷けることばがいっぱい。
ちなみに、渋沢栄一は、江戸末期に生まれ、昭和9年に他界されている。91歳の長生きだった。江戸幕府はつぶすべしと燃えていた若者は、はからずも徳川慶喜の家来になり、その後、明治政府の官僚として活躍したり、そして、その後は民の中でベンチャーキャピタリストのような役を果たしたりと・・時代の荒波の中ですばらしい功績を残した人だ。
今日行ったみずほ銀行も、今朝乗ったJR東日本も、会社に電気を供給している東京電力も・・・のきなみ渋沢栄一が創業に関っている。その他、東京商工会議所、一橋大学、早稲田大学、聖路加病院、慈恵医大・・・など500もあれば、身近な企業や学校は・・・へぇーここもぉ・・・と思うところが多い。
いろんな老舗企業の源流をたどってみるのも楽しいね。
★★★★☆+時代を超えて
・渋沢栄一に接近してみたい方
・誇れるビジネスマンを演じたい方
・面白い仕事をしたい方