頭でわかっても、心で感じれないものは、なかなか行動につながらない。仮に行動したとしても、どこまで一生懸命になるかは別物だ。
フロー体験。この前、天外さんの本にあった寝食を忘れて没頭するようなハイな状態になることだが、それは決して頭だけ(理解)でできるものではない。
心に響くもの、魂を揺さぶるもの・・・そういうものが、人を突き動かす。
で、ふと足元をみる。自分の会社のビジョンや理念は、どうだろうか?家に帰って子どもに誇れるすばらしいものだろうか。同級生に会ったら思わず物語たくなるような、そんな物語があるだろうか・・・・。
本書は、リクルートHC(ヒューマンキャピタル)が、デンソー(世界30カ国、10万人)に価値観を浸透させるというプロジェクトを通じ、価値観の共有や、理念の共有は、何を生みだし、どんな心得が大切かを問うすばらしい本である。
感じるマネジメント、という言葉のとおり、美しいパワーポイントや、ロジカルに整理された資料ではなく、人の言葉と行動が、人の心に伝わる地道で静かな行動である。
あー、こういうの・・・そうそう、こういうのが欲しかったんだよね!という経営者や、マネジメントの方はきっと多いはず。
物語に潜む感じるチカラを呼び起こすパワー、対話から発展する共有の瞬間など、実際のエピソードを交えながら進む。「感じるマネジメント」とは何か本書を読んで感じてみよう!
ほしかった光明がいくつかあった。せっかくだし、拾っておこう。
ブランドとは、自分の理念を表現し続けることで、
関係性の中に生まれる認識の束である。
手段は目的を必要とする。
「2時間」の予算を提供する。
自立には余白が必要
余白は、主体的な思考と実践のために必要な「間」でした。
俳句という営みは、作者と鑑賞者の間の信頼関係によって
藝術として成り立っています。
作者は、鑑賞者を信頼し、余白を委ねる。鑑賞者は作者から
与えられた余白を埋めるために頭と心を動かす。
そして、鑑賞者の心の中に、ある情景がありありと浮かんでくる。
その情景が、この藝術のアウトプットなのです。
頭で「わかる」だけでなく、心で「感じる」ことができる。
憧憬とは、こうあるべき(MUST)よりもこうありたい(Want)
という気持ちを含意した言葉です。
古今東西の優れた物語は、4つの要素からなる「型」を持っている。
1)はじめにバランスのとれている状況がある。
2)バランスを崩す事件が発生する
3)主人公はバランスを回復する努力をするが、二律背反、矛盾などに
悩む
4)やがて、真実の発見に至る。見えていなかった何かに気づく。
ロバート・マッキー
「スローガンを叫ぶ」のではなく「物語を語る」
「説明する」のではなく「憧憬を生み出す」
「浸透する」のではなく「共有する」
「言い尽くす」のではなく「余白をつくる」
などなど、心に響く言葉は、いま、僕が最も欲していることを明らかにしてくれた。さあ、次はこれを実際に試してみる時がきたみたい・・・。
★★★★★+余白で感じる
・チームをひとつにしたい方
・全社で共有したいものがある方
・会社を立て直したい方