2007年05月12日

甦れ、愛しの日本野球 ~ マリヨン・ロバートソン + 一日サイン会


   日本の野球が変わるかもしれない・・・予感

書籍情報

甦れ、愛しの日本野球
マリヨン・ロバートソン
ファーストプレス (2007/05)
売り上げランキング: 167408


本のひらめき

マリヨン・ロバートソン氏、プロ野球機構のコミッショナー就任!・・・この本を読んでこんなMosoを膨らませた。

どうしてこんなMosoが浮かんだかというと、この方ほど野球を「愛して」いる人は他にはいないのではないか・・・そんなふうに思ったからだ。

マリヨン・ロバートソンさん、現在は世界的に有名な不動産企業の副会長を勤める国際ビジネスマンなのだが、一方では今でもかららぬ野球人なのである。なにしろNYC郊外の別荘敷地内には、本格的な野球場があるくらいなのだ。そして、元々はプロ野球の選手でもあった。現在、オリックスの社外アドバイザーも務めている。

メジャーリーグも日本の野球にも精通する著者は、国際野球人といっていい。で、その目には日本の今の野球がとてもあぶない状況にうつる。野茂に始まり、イチロー、松井、松坂・・・日本のスター選手がどんどん流出している状況を冷静に見ればわかるのだが、もはや日本の野球は相当やばい状況に陥っている。

いくつかの処方箋を著者が説いているが、そこには、国際ビジネスマンとしての冷静な分析だけではなく、野球が好きでたまらない・・という「愛」がある。この人は、ほんと~に野球を愛しているなー・・・と思うのだ。処方箋は3つ。

 1つめは、選手やプレーに関する野球の「質」の問題
 2つめは、球場や人工芝などの「器」の問題
 3つめは、球団経営や野球機構のあり方など「組織」の問題

である。

選手には、もっと大人の成熟と子どもの純粋さが同居するような厳しさと楽しさが欲しいという。
また器の点では、やはり人工芝やいけないという。自然の中(みずみずしい芝や空や空気)でこそやるべきスポーツであり、そういうものを大切にした球場が望まれる。人口芝だからこそ生まれる臆病なアクションは、本来望まれているものではない。メジャーリーグに多い、感激するような球場を日本にも!と主張する。
経営については、子どもの集客方法にはじまり、専門性の追求やおかざりコミッショナーの改革など・・・さまざまな点について、鋭い提言がある。

どれも正鵠を得たアドバイスに、おもわずマリヨンさんがコミッショナーになってくれたらいいのに・・・と思うのは僕だけだろうか。

野球好きなあなたに超おすすめの一冊。


僕の思いつき

なんでもメジャーリーグが優れているといっているわけではない。日本文化にも造詣の深いマリヨンさん。日本野球には独特の「型」と「間」があるという。イチローのあの独特の所作は、まさに型の典型。そういうものも大事にしつつもっとワクワクしてインできる野球を・・・と熱く語る。

また日本の選手たちが陥っている「仕事(work)」としての野球から、「作品(art)」としての野球へ転換をという主張は、野球にかぎらず私たちの仕事も同じだなーと思う。

魂を入れるというか、心をこめるというか、人生をかけるというか・・・野球の本なのに、なにか別のものも感じさえてくれるところがうれしい。

ギリー倶楽部でお呼びしちゃおう!


オススメ度

★★★★★+全体&開放

読んで欲しい方

・ハマれる野球がみたい方
・メジャーリーグのファンの方
・日本の野球をもっと面白くしたい方

Posted by webook at 2007年05月12日 12:58 | TrackBack